教会長挨拶

人間性の本質である愛は、お互いに信じ、信頼し合う人間関係の中で芽生え育まれていきます。親は無条件に子供を愛し、時には自らの生命まで惜しみな く子に与えます。一方、子供は父母を絶対的に信じ、全幅の信頼を寄せ、自分の生命まで親に委ねます。そのような親子の絶対的な信頼関係の中で、子供は親か ら愛を相続します。子に受け継がれたその愛は、子供同士が各々の異なった個性を尊重し合い、讃え合う美しい兄弟愛へと発展していきます。こうして、七色の 輝きを放つダイヤモンドのように、愛の香りを放つ家庭が現れます。

さて宗教とは、神と人間との間で失われた「親子の愛の絆」を取り戻し、全人類が民族の壁を越え兄弟姉妹として愛し合う、世界一家族理想を実現する運 動と言っていいでしょう。従って、人間を越えた共通の敬虔なる存在に等しく心を寄せる宗教者達こそ、本来は教派、宗派の壁を超えた兄弟として手を取り合 い、「全人類一家族理想」実現の旗手とならなければなりません。しかし、現実は反対です。宗教者の群れは、兄弟であるはずの他の群れに対しむしろ不寛容で 排他的態度をとり、世界中の人々を震撼させるテロと戦争の元凶となっています。実に嘆かわしいことです。私達「世界基督教統一神霊協会」(略称 統一教 会)も、1954年に創設されて以来、他教派の故なき攻撃に晒され、悩まされ続けてきました。統一教会が描く天国のビジョンは、「統一」という言葉が示す ように、宗教や民族の壁を越えた愛の「人類一家族世界」です。

統一教会の創始者、文鮮明先生は、宗教について次のように語っておられます。昨年出版された文鮮明先生の自叙伝から引用してみます。

「最近の宗教は、自分の教派だけが一番と考え、他の宗教は無視して排斥します。他の宗教や教派に対して壁を積み上げることは正しくないことです。宗 教とは、平和の理想世界を求めていく巨大な川と同じです。川は広々とした平和世界に至るまで、ずっと流れていきながら、たくさんの支流と出会います。本流 に合流した支流は、その時からは支流ではなくて本流です。そのように一つになるのです。

本流の川は、流れ込んでくる支流を追い出さず、すべて受け入れます。そのたくさんの支流をすべて抱きかかえ、同じ流れとなって海に向かいます。世の 中の人たちは、この簡単な原理を知りません。本流の川を求めて流れ込む支流が、この世の中の数多くある宗教と宗派です。泉が湧いて流れ始めた根本はそれぞ れ異なりますが、求めていく所は同じです。平和に満ちた理想世界を求めていくのです。」(『平和を愛する世界人として』創芸社、249~250ページ)

私達はいかなる教派、宗派に対しても、これまで通り寛容であり続けようと思います。お互いに、敬虔なる者の意思のもとに手を携え合いながら「人類一家族世界」に向かう兄弟姉妹なのですから・・・。宗教者の皆様、兄弟姉妹として、共に礼拝する時間を持とうではありませんか。

このたび、「世界基督教統一神霊協会 池袋教会」のホームページを立ち上げることになりました。文鮮明先生の伝道活動の第一声は、理想世界に向かう 同志、兄弟としての宗教者に向けて投げかけられました。私もまた、池袋教会の歴史の中で記念すべきホームページのオープニングに際して、あえて宗教者の 方々に向かって一言申し述べた次第です。それとともに、「統一教会」と「統一運動」に関心を持って下さる全ての方々にも胸襟を広げ、コミュニケーションの 輪を広げていきたいと思います。そして池袋教会から立ち上る信仰の火が、インターネットを通じて人々の心に灯され、やがて人と人とを結ぶ愛の絆となって、 家庭から地域へ、地域から世界へと広がっていくことを願いながら、ホームページを訪れて下さった皆様へのご挨拶とさせていただきます。

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